中小企業製造業必見!ものづくり補助金と事業再構築補助金の違いと成功するための申請ポイント12選

設備導入を進める際に、補助金を使用するか否かで導入できる設備が大きく変わってきますよね。
今回は、設備導入を進める際に、意識しておくべき2つの補助金の違いと、申請のポイントについて説明していきます。

補助金とは?

国として取り組むべき様々な政策目標について、それぞれの目標にあった施策が実施されます。
補助金とは、それらの施策の中でも国が企業、民間団体、個人、自治体などに金銭を直接交付する事業のことを言います。


補助金を交付することにより、企業、民間団体、個人、自治体などにおいて、想定された取り組みが広がり、それが政策目標の達成に繋がる効果を生じさせることが補助金事業の狙いです。

企業側からすれば、単にお金が交付されるものと思いがちですが、上述の通り、申請の理由が、国の政策目標にマッチしているかどうかつまり、政策目標の達成に貢献できる事業かどうかがポイントになります。

一方で、経営者の視点では、補助金とは事業の様々な局面で資金負担及び投資リスクを軽減することができるツールであるといえます。補助金を資金調達手段として捉えるならば、負債のような返済や利子負担がない点、資本のような経営関与がない点が優れています。

企業が補助金を受け取ると、同業他社に比べて資金繰りが有利になり、さらに一歩先の投資を行うことができ、競争力の強化に繋がります。補助金制度は経営者の投資リスクを軽減する効果もあります。

それ以外にも、補助金が採択されることにより、従業員や取引先、あるいは金融機関に対して、その企業自体や取り組む事業の信頼度が上がったり、経営者自身にも自社の取組みの社会的意義が認められたという自信につながるといった効果も期待できます。

補助金の種類は、その目的によって管轄する省庁が異なり、種類は多岐にわたります。

ものづくり補助金と事業再構築補助金の違い

ものづくり補助金

ものづくり補助金」は、経済産業省 中小企業庁が所轄省庁となる補助金です。

中小企業が新たな製品やサービスの開発、または生産性向上を目的とした設備導入を支援するための補助金です。対象となるのは、革新的な技術やアイデアを活かした製品開発や、効率化を図るための生産プロセス改善などが含まれます。

事業再構築補助金

事業再構築補助金」も、経済産業省 中小企業庁が所轄省庁となります。

新型コロナウイルスの影響で事業環境が大きく変化した中で、ポストコロナ、ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するために、中小企業が事業の転換や再構築を図る際に利用できる補助金です。中小企業の新分野展開や業態転換などの事業再構築に対する国の支援事業であり、最も注目される補助金の一つです。

その理由は、中小企業などの通常枠の補助上限額が6000万円であること、ものづくり補助金よりも多くの予算が計上されたことが挙げられます。新規事業の開始や業態転換、事業規模の縮小を伴う再構築が対象となります。

以下に、ものづくり補助金と事業再構築補助の違いをまとめました。
但し、公募内容は最新の回ごとに都度変更されますので、それぞれの最新の公募要領を参照して下さい

項目ものづくり補助金(※最新の公募要領を参照ください)事業再構築補助金(※最新の公募要領を参照ください)
目的新製品・新サービス開発や生産性向上を目的とした設備導入コロナ禍での事業環境の変化に対応するための事業再構築
対象事業技術革新、製品開発、生産プロセスの改善新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、事業再編等
対象となる企業規模中小企業、小規模事業者中小企業、小規模事業者、個人事業主
補助率一般的に1/2~2/3一般的に1/2~2/3
補助金額100万円~1,000万円100万円~6,000万円(規模により上限が異なる)
応募回数年に複数回(通常3~4回程度)年に複数回(通常2~3回程度)
審査基準技術的な新規性、生産性向上の具体性、事業計画の実現可能性事業再構築の必要性、計画の実現可能性、将来の成長性
主な申請書類事業計画書、設備投資計画書、資金調達計画書事業再構築計画書、マーケット調査報告書、リスク管理計画書
主な支援対象となる費用設備導入費、システム開発費、人材育成費設備導入費、新規事業の立ち上げ費用、事業転換に伴う経費
主な申請ポイント生産性向上の具体的なプラン、投資対効果の明示事業再構築の必要性、新規事業の市場調査、リスク管理の計画

ものづくり補助金の申請ポイント 6選

1.公募要領に沿った申請内容

前述の通り、補助金は申請の理由が、国の政策目標にマッチしているかどうかつまり、政策目標の達成に貢献できる事業かどうかがポイントになります。そのため、企業がやりたいことをやるのではなく、国の政策目標=公募要領に沿っているかが最重要ポイントとなります。

審査基準も申請を行う回の公募要領に記載の内容に基づき審査されるため、やみくもに事業計画書に記載しても、採択されません。

そのため、実施する事業が、公募要領に沿った内容になっているか、十分に確認し、取り組む必要があります。

初歩的なことですが、多くの企業が見落としがちな重要なポイントです。

2.生産性向上ガイドライン、高度化指針の理解

「革新的サービス」で申請する場合には、「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン(以下、「生産性向上ガイドライン」)を「ものづくり技術」で申請する場合は、「中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針(以下、「高度化指針」)を理解しておく必要があります。

「革新的サービス」での申請にあたっては、まず、生産性向上ガイドラインで示された方法10種類を読み、申請する事業にふさわしい方法を一つ以上選択する必要があります。そして、選択した方法について、事業計画書の中で具体的にどのような取組みを行うか記載する必要があります。

「ものづくり技術」での申請にあたっては、まずは、特定ものづくり基盤技術として指定された12分野から1分野以上を選択する必要があります。そして、選択した分野について、高度化指針に挙げられている分野ごとの高度化目標、開発などの実施方法、開発を実施するにあたり配慮すべき事項などを参照しガタラ、事業計画を策定する必要があります。

3.明確な目標設定

革新的な技術やサービスの開発を目指す具体的な目標と具体的な方法を設定することが重要です。

計画の実現可能性と経済的な影響をできるだけ定量的に明示する必要があります。

4.技術的な新規性と差別化

既存の技術や製品との差別化が明確であることが求められます。

さらに、競合企業との差別化要因を強調することがポイントです。

5.生産性向上の具体策

設備導入による生産性向上の具体的な方法を示すことが大切です。

導入後の成果指標や予測を明確にすることで、審査で有利になります。

特に、成果指標が第三者が見て、測定可能か、指標が定性的でなく、定量的かどうかがポイントとなります。

6.費用対効果の明示

設備投資に対する費用対効果を具体的に示すことが必要です。

投資額に対してどの程度の効果が期待できるかを数値化することが重要です。

事業として、効果が薄い事業は採択されにくくなります。

事業再構築補助金の申請ポイント 6選

1.公募要領に沿った申請内容

ものづくり補助金と同様に、補助金は申請の理由が、国の政策目標にマッチしているかどうかつまり、政策目標の達成に貢献できる事業かどうかがポイントになります。

審査基準も申請を行う回の公募要領に記載の内容に基づき審査されるため、やみくもに事業計画書に記載しても、採択されません。

そのため、実施する事業が、公募要領に沿った内容になっているか、十分に確認し、取り組む必要があります。

初歩的なことですが、多くの企業が見落としがちな重要なポイントです

2.事業再構築指針の理解

事業再構築指針」とは、事業再構築補助金の支援の対象を明確化するため、「事業再構築」の定義について、中小企業庁が明示したものです。

「事業再構築補助金」の申請書を作成する場合には、申請を行う回の公募要領や事業再構築補助金の理解が重要です。

一見、新たな取組に見える事業計画であったも、事業再構築指針に照らして当てはまる類型が無ければ、事業再構築補助金の対象事業としては不適格となってしまいます。

事業再構築指針において、事業再構築の定義は以下のようになっています。

一 事業再構築の定義
中小企業等事業再構築促進事業(以下「本事業」という。)において、事業再構築とは、新市場進出、事業転換、業種転換、事業再編、国内回帰又は地域サプライチェーン維持・強靱化のいずれかを行う計画に基づく中小企業等の事業活動をいう。

それ以外にも、新市場進出、事業転換、業種転換、事業再円、国内回帰又は地域サプライチェーン維持・強靭化のそれぞれについて、定義がなされており、今回取り組む事業がどの事業再構築に当てはまるのか、明示しなければなりません。

本内容の理解が不十分ですと、そもそも事業再構築補助金に該当しないと見なされ、採択されない場合がありますので、注意が必要です。

3.再構築の必要性の明確化

現在の事業環境の変化に対する再構築の必要性を明確にすることが重要です。

具体的な課題と、それに対する対策を説明します。

特に、コロナの影響やサプライチェーンの毀損などにより、どの程度収益が悪化し、それを取り戻すためのの大胆な事業再構築に取り組む理由が明確でないと、事業再構築に取り組む理由にならない場合がありますので、この点も注意が必要です。

4.新規事業の市場調査

新たに展開する事業の市場調査を行い、その成長性や収益性を具体的に示すことが求められます。

事業の実現可能性を高めるために、確かなデータに基づく計画を提示しましょう。

5.既存事業とのシナジー効果

新規事業と既存事業との間でシナジー効果が期待できる場合、その点を強調すると良いです。

事業間の連携による相乗効果を明示することで、補助金の採択率の可能性が高まります。

6.リスク管理の計画

新事業に伴うリスクを予測し、そのリスクに対する管理計画を示すことが必要です。

短期的なリスク、中長期的なリスクに対して、予防策やリスク対応の具体例を挙げることで、採択率が上がります。

まとめ

ものづくり補助金と事業再構築補助金は、それぞれ異なる目的で中小企業の成長を支援する制度です。

ものづくり補助金は生産性向上や技術革新に、事業再構築補助金は事業の再編や新規事業への挑戦に重点を置いています。

申請の際は、各補助金の目的に合わせた明確な目標設定と具体的な計画を立てることが成功の鍵となります。

各ポイントを押さえ、しっかりと準備して申請を進めてください。

今回は、ものづくり補助金と事業再構築補助金の違いや申請のポイントについてお伝えしました。

各補助金の申請は、企業の担当者にて進めていくものですが、申請の重要なポイントについては、我々のような専門家のサポートを得ることで、より効率的に進めることができます。

「技術のかけはし」では、設備導入の準備段階でのご相談、補助金が活用できるか等の相談支援を承っています。

補助金申請は、ハードルが高いと思われるかもしれませんが、新しい事業や成長させるために補助金は企業に補助するものですので、躊躇せず、積極的に取り組んでいくことをお薦めします。

疑問点や不安点は、初回ご相談無料ですので、お気軽にご連絡ください。

これからも、皆さんの成長を支援するために、我々はサポートしてまいります。

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