思い込んでいませんか？初めての人でもよくわかるプロジェクトのこと

大きな仕事や壮大な仕事、難しい仕事だけがプロジェクトだと思い込んでいませんか。
大きな仕事＝プロジェクト、壮大な仕事＝プロジェクトではありません。

業務において、「プロジェクト」や「マネジメント」などの言葉はよく耳にしますよね。

では、「プロジェクトとは何ですか」「プロジェクトマネジメント（プロマネ）とは何ですか」と聞かれて、皆さんは即答できますか。

「何となくはわかっているけど、表現にできない」とか「何人か集まったらプロジェクトかな」と思っている方が多いのではないでしょうか。

では、プロジェクトとは何か、一緒に考えていきましょう。

プロジェクトとは

まず、プロジェクトマネジメントを語る前に、プロジェクトとは何かを考えてみましょう。

「社内プロジェクトに抜擢された」「これは社運を賭けたプロジェクトだから」という言葉を耳にしますが、一体プロジェクトとは何なのでしょう。

「プロジェクト」とは、以下のように定義されています。

独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施する有期性のある業務

PMI PMBOKガイド第6版から引用

つまり、「独自性があるか」、「有期性があるか」でプロジェクトであるかが決まります。

簡単に言うと、「定常のことではなく、始まりと終わりが決まっている」業務などということになります。

用語	内容
独自性（Unique）	プロジェクトは独自のプロダクト、サービスを生成する 生成する成果物には不確実性が伴う
有期性（Temporary）	プロジェクトには、明確な始まりと終わりがある

一方、継続的および反復性のあるものは、「定常業務」（Operationas)と言います。

では、皆さんに質問です。
どれが、プロジェクトに該当するでしょうか。

1	工場に新しい機械を導入する
2	毎日犬の散歩をする
3	友達との旅行を企画する
4	工場設備の点検をする
5	来年までにフルマラソンを完走する

もうおわかりですね。

答えは、１，３，５ですね。

１は、新しい機械を導入するという独自性と、いつまでと期限も決まっていますよね。
だからプロジェクトと言えるでしょう。
2はどうでしょう。他人とは違った散歩であれば、独自性はあるかもしれませんが、定常のことなので有期性があるとは言えないですよね。
３は、お友達との旅行は、そのメンバーや行く場所が独自性があり、おそらく期限も決まっていますよね。
だからプロジェクトと言えますよね。
４は定常で期限が決まっていません。
５は、自分自身がフルマラソンというやり切ったことがない独自性の高いものにチャレンジして、それを来年までにと期限を決めていれば、それもプロジェクトですよね。

このように、大きな仕事や壮大な仕事ではなく、日常的に行うような事柄も、十分「プロジェクト」なんですね。

特に、3番の友達との旅行の企画や修学旅行を企画するのも、まさに「プロジェクト」なんですよ。

プロジェクトと定常業務との違い

プロジェクトマネジメントと定常業務マネジメントは、マネジメントという意味では同じですが、特徴や対象が変わってきます。

イメージでいえば、定常業務マネジメントが「課長」などが「部下の業務を管理する」というところです。ラインマネジメントとも呼ばれます。

確かに、定常業務には有期性、独自性はありませんよね。

用語	内容
プロジェクトマネジメント	独自性、有期性のある業務を管理する（変化に対応し成功へ導く）
定常業務マネジメント	継続的、反復性のある業務を管理する（無駄を省き効率よく進める）

プロジェクトの成功とは

プロジェクトマネジメントにおいて、最大の目的の一つが、「プロジェクトの成功」です。

では、「プロジェクトの成功」とは何でしょうか。

実は、一概に「プロジェクトの成功」を定義することはできません。

そのプロジェクトの目的や背景などにより、さまざまな「プロジェクトの成功」の形があります。

ある人は、「自社の利益が確保できた」ことが成功かもしれません。

またある人は「プロジェクトを通してメンバーが成長できたのが成功だ」というかもしれません。

いずれも、正しい考えです。

プロジェクトの成功の条件の例は以下の通りです。

• プロジェクト活動を通じて利益（お金）が確保できたか（旅行であれば、予想以外の出費がなかったなど）
• 客先や関係者との契約（目的）が達成できたか（旅行であれば、行こうと決めていたところに行けたかなど）
• 客先や関係者が満足できたか（旅行であれば、皆が楽しかったかなど）
• 合意した品質が達成できたか（旅行であれば、移動手段や宿泊施設などが予想通りであったかなど）
• その他成功指標や基準の達成（業務だと人が育成できたとか、旅行であればより関係性が深まったなど）

プロジェクトを通して、あらかじめメンバーが成功の条件を関係者と決めておく（合意しておく）ことが重要です。

まとめ

今回は、プロジェクトマネジメントとは何かを考えてみました。

要点は以下の通りです。

• プロジェクトとは、「独自性」「有期性」のあるものをいう。
  なので、旅行を企画することもプロジェクトの一つ。
• つまりプロジェクトとは、「定常のことではなく、始まりと終わりが決まっている」ことがらのこと。
• プロジェクトマネジメントは「独自性」「有期性」のあるものを管理していく。（変化に対応し、成功へ導く）
• 定常業務マネジメントは、「継続性」「反復性」のあるものを管理していく。（無駄を省き、効率よく進める）
• プロジェクトの成功の形は一つではない。そのプロジェクトの目的や背景により様々な成功の形がある。
• 成功の条件は、あらかじめメンバーが関係者共に決めておくことが重要。

以上いかがでしたか。

プロジェクトマネジメントとは、決して大きな仕事、壮大な仕事ではなく、「独自性」「有期性」を持った身近なことがらもプロジェクトなのです。

プロジェクトをよく理解し、合意した成功に向かって、着実に進めていきましょう。

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