【講演レポート】「プロジェクトマネジメントと技術経営(MOT)」について講演しました

2025年2月19日、大阪科学技術センターにて開催された近畿化学協会 MOT研究会様において、「プロジェクトマネジメントと技術経営(MOT)」をテーマに講演を行いました。

本講演は、以前私が「プロジェクトマネジメントと工学倫理」をテーマに講演した際に、京都大学の教授がご覧になり、近畿化学協会様へご紹介いただいたことがきっかけとなり依頼を受け実現しました。

技術経営(MOT)は、企業の持つ技術を戦略的に活用し、競争優位を築くための経営手法です。
一方、プロジェクトマネジメントは、限られたリソースの中で目標を達成するための体系的な手法です。
これら二つの分野は密接に関連しており、技術を強みに持つ企業が持続的に成長していくためには、どちらも欠かせないものです。

今回の講演では、プロジェクトマネジメントと技術経営がどのように結びつき、企業の成長やイノベーションの推進に寄与するのかについて、多角的な視点からお話ししました。


講演内容「プロジェクトマネジメントと技術経営」について

今回の講演では以下のような内容をお話ししました。

プロジェクトマネジメントの歴史

プロジェクトマネジメントは、現代のビジネスシーンにおいて不可欠なスキルですが、そのルーツについてご紹介いたしました。
近代においては、大規模な国家プロジェクトを通じて、プロジェクトマネジメントの手法が発展しました。
これらのプロジェクトでは、限られた時間と膨大なリソースを管理する必要があり、それを体系化するための手法が生まれました。

特に、プロジェクトを円滑に進めるための手法は、1950年代から開発され、プロジェクトの計画や進捗管理の精度が飛躍的に向上しました。

これらの歴史について、事例を交えてご説明いたしました。

プロジェクトマネジメントの基本概念

プロジェクトの定義や特性、PMIが策定したPMBOKガイドの概要について説明いたしました。

さらに、タックマンモデルといった理論を用い、組織内でのチームビルディングやプロジェクトの進行管理の重要性についてもお話ししました。

技術経営(MOT)とプロジェクトマネジメントの関係

MOT(Management of Technology)は、企業が技術をどのように経営資源として活用し、持続的な成長を実現するかを考える学問です。
なぜ、現在MOTが必要なのか?
欧米での成功事例と、日本企業に必要な理由について、ご説明いたしました。

日本企業は、高い技術力を誇るものの、それを市場で最大限に活用するためのマネジメント能力が求められています。

プロジェクトマネジメントの手法を活用することで、技術開発や設備投資において、リスクを適切に管理しながら、計画的かつ効率的に成果を上げることが可能になります。

実際の事例紹介

講演では、具体的な事例を交えながら、プロジェクトマネジメントの手法が技術経営にどのように活かされるのかを解説しました。
例えば、実際の化学工場でのプロジェクトの事例を説明し、KSF(Key Success Factor:重要成功要因)は何かをテーマに、参加者の皆さんで考えていただきました。

参加者の声

当日は、大学教授や化学業界の役員経験者などを中心に約20名の方々にご参加いただきました。
講演後には活発な質疑応答が行われ、多くの方から貴重なご意見をいただきました。

参加者の感想(一部抜粋)

  • 「プロジェクトマネジメントの体系化の歴史がよく理解できた」
    → 米国の国家プロジェクトを通じてどのようにマネジメント手法が発展してきたのかが明確になった。
  • 「自身の経験と照らし合わせながら学びを深めることができた」
    → 研究プロジェクトを管理してきた立場として、自分のマネジメントを評価する良い機会になった。
  • 「現在の研究開発にも応用できる知見が多かった」
    → タレント・トライアングルやタックマン・モデルといったフレームワークは、実際の研究活動でも活用できる内容だった。
  • 「講演後のディスカッションも非常に充実していた」
    →ディスカッションを通じて意見交換でき、さらに深い学びにつながった。

このように、多くの参加者から「非常に実践的で参考になった」「現場で活かせる知識が得られた」といったご好評の声をいただきました。

全体の感想

今回の講演では、技術経営とプロジェクトマネジメントの関係について、多くの方と意見を交換することができました。
参加者の皆様からの鋭い質問や実際の現場での課題についてのご意見を伺うことで、私自身も多くの気づきを得ることができました。

技術を活かして経営を強化するためには、プロジェクトマネジメントの手法を適切に活用し、組織全体で共通の認識を持つことが重要です。
今後も、こうした学びの場を通じて、技術経営の発展に貢献していきたいと考えております。

最後に

この度は、このような講演の機会をいただきましたこと、心よりお礼申し上げます。
私自身も、参加者の皆様からの活発なご質問や議論を通じて、私自身も気づきを得る中身の濃い講演となりました。


本講演のテーマやそのほか技術や経営に関わるテーマにご関心をお持ちの方、企業・団体での講演をご検討されている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

技術経営とプロジェクトマネジメントの実践的な知見を、貴社の成長やプロジェクトの成功にお役立ていただければ幸いです。


📩 お問い合わせはこちら


今後も、技術と経営の架け橋となるような情報発信を続けてまいります。


Follow me!