あなたは大丈夫?クライアントに選ばれる機械設計エンジニアになるには
機械設計エンジニアの皆さん、設計技術者として選ばれるエンジニアになっていますか。
選ばれるエンジニアになるには
最近では、「エンジニア」=「プログラマ」、「SE:システムエンジニア」のイメージが強いかもしれません。
ここでは、装置の設計を行う「機械設計エンジニア」について考えてみたいと思いますが、
「プログラマ」、「システムエンジニア」も考え方は一緒です。
エンジニアとは何か、どのような適性や求められる能力、今後求められるエンジニアについて記載していきます。
エンジニアとは
エンジニアは「エンジニア、技師、技術者」のことですが、「工学的な専門知識を駆使して、クライアントに対して、様々なサービス、機械製品、システムを提供するもの」です。
つまりは、エンジニアとは、広義で「製品だけではなく技術というサービスを提供する」人なのです。
今のエンジニアは、難しい専門用語を並べて、クライアントに「??」と思われるエンジニアでは、クライアントの信頼を得ることはできないでしょう。
選ばれるエンジニアになるには、専門用語ももちろんよく理解し、小学生、中学生にもわかるような言葉に変換し、よく理解してもらえるエンジニアが求められます。
エンジニアに求められる能力と適性
選ばれるエンジニアに求められる能力や適性は何でしょうか。
エンジニアに求められる適性は、以下の特徴が挙げられます。
- 責任感、主体性、当事者意識を持っている
- 誠実性(技術者倫理)
各特徴について説明していきます。
責任感、主体性、当事者意識
私たちエンジニアの仕事は、クライアントからの依頼や相談で成り立っています。いかに、クライアントの立場を理解し、思いや考えを理解し、自分のこととして捉えることができるかにかかっています。
責任感、主体性、当事者意識は、エンジニアのみならず、必要な意識です。これらを意識することで、クライアントの立場に立った提案ができるようになります。
責任感 | 自身の仕事・行為についての責任を果たそうとする気持ち |
主体性 | 何をすべきか決められていないことに対し、自分の意志・判断により自ら責任をもって行動する態度や性質のこと |
当事者意識 | ある事柄に自分が関係していると認識し、「自分が解決をする」「自分が行動を起こす」という意識を持って取り組むこと |
主体性とは、自主性と似ていますが、それぞれの意味を考えてみましょう。
自主性とは、あらかじめ決められたことを自ら率先して行動する態度や性質のことです。
例えば、「元気よく挨拶する」という組織のルールを誰に言われずとも率先して行う社員は、「あの人は自主性のある人」となります。
一方、主体性は、ルールに縛られず、必要とされる行動を率先してとることです。
このように、主体性は、決め事やルールが無くても、責任をもって必要とされる行動をとることに他なりません。
スティーブン・R・コヴィー著 「7つの習慣」では、以下のように述べられています。
「主体性を発揮することとは、自分の人生を自ら選択し、自ら責任をとることである」
スティーブン・R・コヴィー著:7つの習慣
主体性が必要とされる背景には、現代が不確実性の高い状況下にあることが要因のひとつです。何が起こるかが分からない、先の見通しが立たないVUCA時代と呼ばれる現代、会社の存続はもちろん容易ではなく、時代の流れに合わせて柔軟に考え方や行動を変えていかなくてはいけません。
誠実性(技術者倫理)
誠実であることは、エンジニアに限らず当然の意識です。
でも、なぜエンジニアに特に必要な意識なのでしょう。
「技術者倫理」という言葉をご存じですか。
科学技術者はおのれの科学技術が環境形成に重要な一役を担っていることを忘れてはならない。ここに科学者および技術者に共通する倫理的責任の一端は存在するのである。
今道友信 札野順 著:初めて学ぶ 技術倫理の教科書
この言葉通り、科学技術者・エンジニアは、その科学技術が与える重要性を認識し、ふるまう必要があります。
一方で、エンジニアは、いろいろな場面で複雑で困難な意思決定を迫られます。
純粋に技術的な要素だけではなく、社会的責任、コスト、納期といった経営、管理上の要求、政治や文化、種々の要因が複雑に絡み合い、エンジニアはそのはざまで思い悩むことになります。
しかし、我々は上記重要な一役を担っていることを決して、忘れてはならないのです。
今後求められるエンジニア
エンジニアは事務所や現場でコツコツとやるべき仕事をこなすことがこれまでは、重要と考えられていました。
しかしこれからのエンジニアは、それだけではなくさまざまな能力が求められます。
今後求められる知識や意識は以下の通りです。
三現主義(五現主義) | 机上の空論ではなく、実際に「現場」で「現物」を観察し、「現実」を認識したうえで問題解決を図る さらに「原理」「原則」を加えたのが、五現主義 |
真の問題点(依頼の背景)を聞き出す能力 | 依頼そのものを鵜呑みにするのではなく、その依頼の背景や起こっている事象をより詳しく聞き出す力 |
他分野の知識をもっている | 自分の専門知識だけではなく、周辺知識や他分野の知識を理解している |
わかりやすく説明できる能力 | 提案内容をクライアントに理解しやすい言葉で説明し、お互いの理解の齟齬をなくす |
これらのように、さまざまな知識や意識を持っておく必要があります。
エンジニアにとって、現状の知識やスキル、意識に満足せず、多くの分野や知識、物事に興味を持ち、自らの知らないことを習得していこうとする成長意欲を忘れてはなりません。
まとめ
今回は、選ばれる機械設計エンジニアになるためには何が必要かを考えてみました。
要点は以下の通りです。
- エンジニアとは「工学的な専門知識を駆使して、クライアントに対して、様々なサービス、機械製品、システムを提供するもの」であり、サービスを提供する側面もある
- エンジニアは、「自ら持つ技術力が世の中に与える重要性を認識して正しい判断をする」という倫理観を忘れてはならない
- 今後求められるエンジニアは「三現主義(五現主義)」「真の問題点(依頼の背景)を聞き出す能力」「他分野の知識を持ったエンジニア」「わかりやすく説明できるエンジニア」である。
- エンジニアは、多くの分野や物事に興味を持ち、自らの知らないことを習得していこうとする成長意欲を忘れてはならない。
以上いかがでしたか。
エンジニアにゴールはありません。少しでも自らが思う理想のエンジニアになるための努力は惜しんではいけません。
我々と共に、より高いレベルのエンジニアになるよう前に進んでいきましょう。